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 今「眠り」はブームです。さまざまなジャンルのショップやホテルでも「眠り」について提案がなされています。「何で今さら・・・?」ついついそう思ってしまいます。

 私たちは、最近になってよく寝るようになったわけでもないし、大昔から昼間の疲れを癒すため人も動物も夜は寝ていたわけですから。そしてさまざまな素材をさまざまな形状に変え、布団や寝具、ベッドが作られ、それを用いて夜を過ごしていたわけです。

 そう考えてみるとやはり「何で今頃・・・?」。
 それはきっと何となく今までの寝具が自分に合っていないように感じていた方が声を上げ始めたということでしょう。

 「 眠り」の目的は「身体を休めること」と思われがちです。確かにそうした面もあるでしょう。しかし、身体は寝ている時に休んでいないのです。寝返りを打ったり、姿勢を変えたりして敏感に動いています。

 ただ、その動きは昼と違って脳の指令を受けずに、体が動きたいように動いているのが眠っている間なのです。
 つまり体は脳が休むとそれを待っていたように昼間の動作のストレッチ運動をする。それがキッチリできると、朝に目が覚めても体はスッキリ元に戻っているわけです。

 だから「眠り」で大切なのは脳をいかに休めるようにするかなのですね。

 今までベッドルームのコーディネーションをされている方は多いはずです。家具とベッドリネンのイメージを揃えたり、カーテンを変えたり、ベッドの周りを雑貨で飾ったり・・・。寝る前にこうした自分の好きな色やモノに囲まれることは、「眠り」にとても大事なことです。
 でも、あなたは電気を消して眠りにつくまでのコーディネーションを考えたことはありますか?
 真っ暗な中のコーディネーション・・・色でも柄でもない、自分が眠りに入るためのコーディネーション。本当に質の高い「眠り」はこのコーディネーションで決まるのです。
 お子さんが寝付かないとき、体をさすってあげるといつの間にか眠ってしまう・・・ほとんどの動物はそうです。

 つまり「肌触り」が最も重要。

 しっかりと体を支えて安心感を与えてくれるベッドや敷布団、適度に熱を捕まえ湿気を発散してくれる掛布団、寝ている間も呼吸と血液の流れを円滑に保ってくれる枕・・・。

 今までもこうした道具たちはそれぞれの役割で眠りをサポートしてくれています。
 そして、これらのほかにも最も肌に近いところで安堵感や優しさを肌で感じさせてくれるのが、ベッドリネンやパジャマなんです。

 布団が汚れないために掛けるのがカバー、寝るときに着るものがパジャマ・・・ではなく、サラッとした感触、やわらかな感触、しなやかな感触・・・
 季節にあったさまざまな感触を眠るまでの間に与え続けてくれるのがカバーであり、パジャマなんです。

 さらに質の高い眠りのためには、「香り」「音」「光」が加わり、それぞれが絶妙なバランスで自分を包み込んでくれるような自分なりのインテリアが必要です。


「眠り」の追求は、そうした自分だけのわがままを追及して初めて得られるモノなのです。

アル・ジャブル 代表  荒井信彦

ショップ情報誌「& Sucre」掲載文より